指定管理者制度ってどうなの?~まだまだブラックボックスな実情に迫る~
だいぶ日が空いてしまいましたね。。
そんなだめだめブログでもアクセスが(超低空飛行ですが)あったりするので、
またぼちぼちと再開していこうと思います。
さて、今回のテーマは「指定管理者制度」。一般の人からしたら相当にマニアックなテーマです。このご時世、インターネットを駆使してもまだまだブラックボックスな存在です。もし、地域での起業に興味があるなら、この制度について知っておいて損はありません。書ける範囲でこのブラックボックスの中身を書いてみたいと思います。
指定管理者制度とは何か
「指定管理者制度って?」という人が大半だと思います。この制度に関して、Wikipedia上では以下のように説明されています。
指定管理者制度(していかんりしゃせいど)は、それまで地方公共団体やその外郭団体に限定していた公の施設の管理・運営を、株式会社をはじめとした営利企業・財団法人・NPO法人・市民グループなど法人その他の団体に包括的に代行させることができる(行政処分であり委託ではない)制度である。*1
簡単にいえば、市や町が運営していた観光施設を民間事業者に運営代行してもらう制度のことです。さてさて、どんな場合に、この制度が検討されるんでしょうか。
具体的には、これまで自治体が運営してきた施設が不採算になり、議会で問題視されたりすることが引き金になるケースがあります。こうなると、(妄想ですが…)市役所の中では「やっぱりわれわれ行政の運営では限界だな。人気がある施設を運営している○○株式会社などに運営をお願いできないだろうか」という話し合いがなされます。
そこで、「運営を民間に任せることで改善が見込める施設」と判断されれば、指定管理者を公募により選定し、施設の運営を外部委託をすることになります。
わざわざ、行政が運営していた施設を民間に委託するのはなぜでしょうか。
なぜ、行政は指定管理者に任せたいのか?
一般的には、民間運営の方が柔軟性のある施設の運営を行なうことができるため、利用時間の延長や施設運営面でのサービス向上などが期待できるとされています。
例えば、施設を繁盛させられる民間事業者は、プロモーションの方法や旅行会社とのネットワークなど、「繁盛させられるノウハウ」を持っています。そのため、行政が運営するより集客を増やすことは実はそれほど難しくはありません。(←と、言っても、もちろん難しい事例も多いですけど…)
蛇足ですが、実際に指定管理者に指定されたある施設では、初年度から直近の年間売上実績に対して2倍ぐらいまで売上を伸ばせることができた例もあります。ま、、これはたまたま集客に努力をしてこなかった施設のため、少しの変化でも劇的に効果があった事例ですが。
さて、もし、あなたが地域での観光事業に興味があるなら、この指定管理者制度は狙い目かもしれません。ただ、そこには落とし穴も。。
指定管理案件が狙い目な理由3つ
まず、そもそも論。地域にはまともなプレーヤーがいません。これは悲しきかな、地域で活動するとよくわかります。理由は、高齢化と若者の田舎離れ。これによって、「ある程度社会経験があり、自分の頭で考えて、ものごとを進めていける人」が極端に少ないです。ということで、きちんとした戦略を立てて、必死に頑張れば、都会に比べれば相対的に結果が出やすい状況になっています。
二つ目は、それまでの行政の運営がダメダメ過ぎることです。行政というのは、ある意味では、最も観光施設に不適切な組織ではないでしょうか。そもそも、施設としてお客様を増やすことに全く待遇面でのインセンティブがないために、努力をしないでも全く問題がありません。
さらに、なんでもかんでも外部に丸投げすることが習慣化されているケースも多いため、経費削減できる幅が大きいことも指定管理者にとっては魅力の一つ。そんなこんなで、民間にとって当たり前のことをきちんとやれば、それだけで自然と採算が改善される場合も少なくありません。
最後は、行政が経費の一部を負担してくれることです。民間が自社で商売をする場合、建物などの修繕を利益から賄っていくことは当然ですが、指定管理者制度の場合は違います。なんと、行政が事前に決められているルールに基づいて、費用を負担してくれることになっています。
例えば、「100万円以上の修繕は行政が負担する」という形で決まっているため、一番痛い高額な出費を負担しなくてよい場合も珍しくありません。
最後に
どうでしょう?かなり魅力的な案件だと思いませんか?でも、そこにはそれなりの落とし穴があります。それが、指定管理者の選定方法である「公募」です。次回はこの「公募の落とし穴」に関して書いてみたいと思います。
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www.shiteikanricenter.co.jp