地域観光の最前線ノート

地域の観光事業の最前線で事業に奮闘するブログです。

社長が果たすべきたった一つの役割

ああ、暑い。

暑いですね。

 

今日は社長が果たすべき役割について思うところを書き留めておこうと思います。

 

むか~し、むかし、私は起業するにあたって、いろんな経営者の本を読み漁っていた時代がありました。ホンダやパナソニックソニーなど、どんな人が経営者で、どんな想いで会社を興すにいたったのか、熱心に読みふけりました。

いまはブラック企業で有名になってしまいましたが、ワタミの渡邉美樹さんの起業当時の話を読んでいたとき、こんなことを思いました。

 

「渡邉社長は、居酒屋をやっているのに料理人の経験がないみたいだ。自分が料理を知らないのに、どうやってそのお店を経営する社長になったんだろう」

 

そのときに気が付きました。世の中には、その分野について精通していて、それを突き詰めていって会社を立ち上げる人と、特にその分野について詳しくないにも関わらず会社を経営している人がいる。前者はなんとなく想像つきますが、後者はどうやって経営しているんだろうか。

 

当時、すごく不思議だった、この事実。実際に会社を経営するようになって、いまではその理由がよくわかります。

 

その理由は、ビジネスが団体スポーツだ、ということです。

 

ちょっとわかりにくいかもしれないので、もう少し補足します。

 

会社は大なり、小なりありますが、どこもお金を得る仕組み(ビジネスモデル)という大きな枠組みの中で、商品があり、お客様に知ってもらう取組があり、お金を払ってもらって、それらの数字を管理し、従業員に還元し、残ったお金を再投資する、というサイクルがあります。

 

実は会社の中で社長だけが、このどの部分を誰にさせるか(自分でしてもよい)を決めることができます。つまり、メンバーの適性をみつつ、チーム編成を考え、自分も含めたポジション(役割)を決定できる立ち位置にあります。

 

居酒屋の例に戻ると、居酒屋も立地やお店のコンセプトなどの前提は別として、お客様に来店してもらい、料理を提供し、その対価にお金をもらうサイクルの中で、料理の部分を誰かに任せる選択もできるし、自分でやることもできる、ということだったのではないでしょうか。

 

実際に会社を経営していくと、立ち上げ期は収支を安定させるために、ある程度現場に入ってすべてのサイクルに関わって微調整をしていく時期もあります。逆にある程度安定してサイクルが回るようになったら、ほぼすべての工程を人に任せ、「誰も考えていないことを考える」ことに注力することも、チームにとっては大切になります。

 

そんなこんなで「社長はこうあるべき」というのは実はチームの構成員の能力や会社のステージによって大きく変わってくるものだ、と思うのです。

そういう意味では、社長が果たすべき役割とは、「組織の状態を客観的に把握し、そこに足りていないことを補うこと」であると思います。もちろん、会社のあるべき姿があった上でのことですが。

 

今ではブラック企業の権化みたいなワタミですが、渡邉美樹さんの起業のときの話はいまでもたまに読み返しては、励みにしています。起業を目指す方は一度読んでみてもいいかもしれないですね。

 

夢に日付を! 【新版】 夢をかなえる手帳術

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